「KMB——完全無欠の美少女」
初めてミリアがそのセリフを言ったとき、俺は思わず吹き出した。いや笑いながらも、なんかこのキャラ好きだな、ってじわじわ思ったのを覚えている。
『ジュエルペット てぃんくる☆』は2010年4月から2011年4月までテレビ東京系列で放送された全52話のアニメで、前作のドタバタ日常コメディから一転、可愛らしい女の子キャラクターとシリアスなストーリー展開というコンボが女児だけでなく男性アニメファンのツボにもはまりやすく、「大きいお友達」からの人気はジュエルペットシリーズの中でもかなり高いと言われている作品だ。
ミリアというキャラクターの「ズルさ」について
ミリアのフルネームはミリア・マリーゴールド・マッケンジー。アメリカ出身の自称8歳の女の子で、1月16日生まれ。
「自称」というのがポイントで、このちょっとした設定のゆるさが逆に愛らしい。
世界的な歌手の母と世界的な経営者の父を持つお嬢さまで、夢はお母さんと同じ世界的な歌手・クイーン・オブ・ポップになること。ジュエルスターになってその夢を叶えようとしている。目標がでかい。
そして何よりミリアを語るうえで外せないのが、日本のアニメが好きな影響で猫耳の形をした髪飾りをつけており、自宅の部屋にはアニメ関連のフィギュアやポスターが飾られているという設定だ。アニメ好きの女の子がネコミミをつけて魔法学校に通っている——この時点でもう心をわしづかみにされてしまう。
「KMB(完全無欠の美少女の略)」を自称しているのに、沙羅と体が入れ替わったときには「KYO(空気が読めないおバカなミリア)」と間違われてしまうという、このギャップ。高飛車なようで憎めない、強がりなようで実は不安を抱えている——ミリアのそういうところに、なぜか大人の俺は感情移入してしまった。
声優は竹達彩奈さんが担当していて、あの独特の声が「強がりのミリア」を見事に表現している。竹達さんの声ってどこかキュッとした芯の強さがあるから、ミリアにぴったりはまってるんだよな。
ミリアのプライズフィギュアを知っているか
「ジュエルペット てぃんくる☆」から桜あかりに続いて「ミリア」がプレミアムフィギュアとして商品化された。ネコミミがポイントのミリアは、ガーネットと一緒に登場する全1種、全高約17cmのフィギュアだ。
メーカーはタイトー。発売日は2014年12月10日で、約10年前の商品になる。当時ゲームセンターのクレーンゲームに設置されたプライズ景品だった。
全高17cmというサイズはプライズとしては割と大ぶりで、棚に飾ったときの存在感がしっかりある。ミリアのトレードマークであるネコミミ髪飾りもちゃんと再現されていて、ガーネットとセットで並べられるのが特に嬉しいポイントだ。
プライズ品なので塗装の仕上げに完全を求めるのは難しいが、造形の出来は素晴らしくプライズ品としてはかなり上等の部類で、「プライズ品とか子供向け作品のキャラだとか考えると有り得ないクオリティ」という声もある。
この評価は正直に言って「プライズへの偏見を覆してくれる」感じがする。安いからといって侮れない、というやつだ。
あの頃、クレーンゲームでミリアを狙っていた話
2014年末、このプライズが出たとき、俺は地元のゲームセンターを何軒か回って台を探した。
見つけたのは郊外の大型施設。橋渡しの設定でミリアの箱が2個並んでいた。「これは取れる気がする」と直感したのを覚えている。あのとき独特の高揚感があったんだよね。ゲームセンターの蛍光灯の下で、クレーンのアームをじっと眺めながら作戦を練る感覚——あれはやっぱり楽しい。
最初の1プレイで少し動かした感触から「軽い!」と感じた。プライズの箱って中身の配置によって重心がバラバラで、箱型フィギュアは箱の中のフィギュアの形状が見えず重心の位置が予測できないため、初手にミスをするとその後何回やってもとれないという事態が発生しやすく非常に難しい。それをわかってたので、最初の1手は「動かし方の確認」に徹した。
結果的に4手でゲット。箱を手に取ったとき、小さく「よし!」と言ってしまった。周りの人に聞こえてなかったか少し心配したけど。
失敗した経験も当然ある。別の日に同じミリアの台を狙ったとき、ずっと景品がぐるぐるその場で回るだけで全然落ちる気配がなかった。1000円突っ込んでも動かない。そこで冷静に台を確認したら、確率機の設定だったと後から気づいた。2本爪の筐体が基本的に実力機で、3本爪の筐体が確率機に分類されることが多い——この見極めを最初にサボった俺のミスだった。あれは悔しかった。
オンラインクレーンゲームでミリアを狙えるか?
正直に言うと、2026年現在、「ミリアのプライズフィギュアがオンラインクレーンゲームに設置されている」という情報は見つけにくい状況だ。なぜかというと、このフィギュアは2014年発売なので、現役稼働している台はかなり少ない。
ただし、完全に諦めるのは早い。
オンクレには「過去のプライズ品の在庫を放出する台」が時々登場することがある。倉庫に眠っていた景品が、数年後にひっそりと台に置かれるケースだ。特に地方のゲームセンターが運営するオンクレ台にはそういうケースが多い。アプリを入れて「ジュエルペット」「ミリア」で検索する習慣をつけておくと、ある日突然ヒットすることがある。
俺もこれで過去に一度、廃番になったプライズをオンクレで発見してGETしたことがある。あの感覚は「掘り出し物を見つけた」喜びそのもので、フリマアプリで買うのとは全然違う達成感がある。
オンクレで狙うなら、まず使うべきサービスは以下の3つがメインになってくる。
タイトーオンラインクレーン:今回のミリアのプライズを作ったのがタイトーだから、親和性は高い。タイトー自社のプライズ品は比較的タイトー系のサービスに残りやすい傾向がある。
GiGO(ギーゴ)オンライン:全国に多くの店舗があり、プライズの種類も豊富。旧作品の台が残っていることもある。
クレーンゲームONLINE:さまざまな施設の台が集まっているため、掘り出し物を見つけやすい。こまめにチェックするのがコツだ。
プライズフィギュアを攻略するための基本の話
クレーンゲームでフィギュアの箱を取るにあたって、まず知っておきたいのが設定の見極め方だ。
1000円かけても取れないなら、さっさと諦めてメルカリなりリサイクルショップで買うことをおすすめする。その方が圧倒的に安く、精神衛生上良い。
これは至言だと思う。俺も若い頃は「もう少しで取れる気がする」という罠にはまって、5000円、10000円と投入したことがある。結局取れず、同じものをフリマアプリで安く見つけて血の気が引いた、なんて経験が何度もある。
大事なのは「3手やって手ごたえがあるか」を見極めることだ。
橋渡し設定の攻略ポイント
ミリアのようなプライズフィギュアは箱型なので、橋渡し設定で置かれていることが多い。橋渡し設定では左アームを景品の左側に入れて動かし、奥側を使って少しずつ景品の向きや位置を調整していくのが基本的な手順だ。
オンクレの場合は特に「カメラ越しの距離感」が難しい。最初の2〜3プレイは景品の動きの傾向を見極める「観察プレイ」と割り切ることが大事。実店舗と違って台の状況をスタッフに聞けない分、自分で判断するしかないから。
台の設定を疑う目を持つ
アームが景品に触れているのに全く動かない場合は、アームの力が弱く設定されている確率機の可能性が高い。確率機と実力機の違いは、2本爪が実力機、3本爪が確率機という目安がある。これを頭に入れておくだけで、無駄な投資をかなり減らせる。
今からミリアフィギュアを手に入れる最短ルート
2026年現在、ミリアのプライズフィギュアを新品で手に入れるのは難しい。正直に言おう。2014年の商品だから当然で、現在クレーンゲームに設置されている可能性はほぼゼロに近い。
では今から手に入れるにはどうするか。答えは二次流通市場だ。
メルカリ・ヤフオク
「ジュエルペット ミリア フィギュア」で検索すると、未開封品から開封品まで出てくる。価格はコンディションによってまちまちだが、買取価格の参考として2,380円という価格が示されており、それを踏まえると流通価格は数千円〜程度が相場感になる。
未開封品は当然高めだが、「飾って楽しむ」ならコンディション良好の開封品でも十分。むしろ箱代が上乗せされていない分お得なケースもある。
らしんばん・まんだらけ・中古ホビーショップ
アニメ系中古グッズ専門のショップはオンラインでも店舗でも探せる。こちらはしっかり状態確認できるので安心感がある。特にらしんばんはジュエルペット関係のグッズをわりと扱っていることが多い印象だ。
楽天市場・Amazon
楽天市場では「ジュエルペット てぃんくる☆ プレミアムフィギュア ミリア」で121件の検索結果があり、複数の出品がある状態。まだ市場に在庫が残っているのは心強い。価格と状態をじっくり比較して選ぼう。
失敗しない購入の注意点
箱なし・写真少ない・説明が「ジャンク品」「動作未確認」などの表記がある場合は要注意。プライズフィギュアは細かいパーツ(今回でいえばネコミミの髪飾りやガーネットのフィギュア部分)が欠損しやすいので、「付属品完備かどうか」を必ず確認すること。
俺も一度、「美品」と書かれていたフィギュアを買ったら、ガーネット部分が欠品していて泣きを見たことがある。写真に写っていない箇所はコメントで確認するのが絶対だ。
フィギュアとしての評価
良い点:造形のクオリティが高い
プライズ品としてはかなり上等の部類で、プライズ品という価格帯と子供向け作品のキャラという点を考えると有り得ないクオリティという声があるほど造形の出来は素晴らしい。トレードマークのネコミミが立体的に再現されていて、ミリアらしさがちゃんと出ている。
良い点:ガーネットとのセット感
ガーネットと一緒に登場するセット構成になっているのが嬉しいポイント。パートナーと並べて飾れるという演出は、ジュエルペットのシリーズを知っている人間にはたまらない。
気になる点:塗装の個体差
プライズ品なので塗装は荒いもので、多少のはみ出しや衣装部分の塗装欠けもちらほらあるとの評価もある。二次流通で購入する場合は、できれば塗装状態が確認できる写真が多い出品を選ぼう。
気になる点:あかりとスケールが合わない
同じシリーズのあかりちゃんが1/8相当のスケールなのに対し、ミリアは1/6くらいのスケールで並べると違和感があるという指摘がある。2体並べてシリーズとして飾りたい場合は頭に入れておこう。もっとも、単体で飾る分にはむしろボリューム感があってテンションが上がるという面もある。
ミリアフィギュアを手に入れることの意味
ジュエルペットてぃんくる☆は「子供向けアニメ」という枠でくくるには惜しすぎる作品だと今でも思っている。ミリアが母親の本心を知るエピソード、夢に向かって傷つきながらも歩き続ける姿——あれは大人が見ても普通に刺さる話だった。
「KMB」と自称して高飛車に振る舞いながら、本当は誰より不安で、誰より必死だったミリア。50歳になった今、あのキャラクターから受け取れるものが、20代の頃より確実に増えた気がする。
だから、ミリアのフィギュアを棚に飾るのは、単なるコレクションじゃない。あのアニメと、あの頃自分が感じたものを、かたちにして手元に置くことだ。
クレーンゲームで取れたらそれが最高だけど、二次流通で手に入れたって、オンラインで見つけて送ってもらったって、結局「ミリアがいる」という事実は変わらない。手に入れる方法より、手に入れること自体に意味がある。

コメント